Sunday, 28 September 2014

人生は短く、切ないものだ

"Passengers"  『パッセンジャーズ』


※ネタバレありますので、内容を知りたくない方はご注意下さい。


ある町で旅客機事故が発生。
海岸に胴体着陸し、搭乗者109名中奇跡的に助かったのは、エリック・クラーク(パトリック・ウィルソン)、シャノン(クレア・デュヴァル)、ディーン(ライアン・ロビンズ)、ノーマン(ドン・トンプソン)、ジャニス(チェラー・ホースダル)の5名のみ。
セラピストのクレア・サマーズ(アン・ハサウェイ)は彼らのカウンセリングを担当することになる。
クレアはいつも黒の衣装、持ち物が印象的。
舞台設定、冬、常に雨が降っていて天気が悪いのも印象的です。
どの辺の土地かは分かりません。

グループ・カウンセリングの中で、ディーンは「上空を飛行中に音がして電気が消え閃光が走った」と爆発があったことを証言する。
しかし、航空会社の担当者・アーキン(デイヴィッド・モース)は「パイロットのミスで機体がバランスを崩した」と事故原因は人的ミスであると主張。
クレアは航空会社側が何かを隠していると感じ、不信感を抱く。
その後、2回目のカウンセリングにディーンは姿を見せず、失踪。
ノーマンは「去年カリフォルニア沖合で同じような事故があった。機械の故障だった。航空会社側は我々を尾行し、黙らせようとしている」とクレアに告げる。
そして、3回目のカウンセリングではノーマンが来なくなり、4回目ではジャニスが姿を消す。

もう一つの筋。
エリックはグループ・カウンセリングを拒否、自宅での個別カウンセリングを希望する。
彼は初めて会ったクレアに「姉妹に連絡を取った方がいい」と言ったり、彼女のコーヒーの好みを知っていたりして、クレアを当惑させる。
しかし、ユーモアがあり話がうまく魅力的なエリックとカウンセリングで接する内に、逆にクレアの方も癒され、惹かれて行く。
エリックの方はと言うと最初から一目惚れだったようで、結構積極的にクレアを誘う。
所謂吊り橋理論を応用して、建物の屋根の上で待ち、君も上がって来いよと誘ったり、バイクで二人乗りしたり、ボートで沖へ出て冬なのに海へ飛び込み彼女を心配させたり…。
で、一線を越えた。

一方、アーキンはクレアのことも尾行している模様で、彼女とエリックの関係まで知っていた。
クレアは航空会社による事故過失隠蔽疑惑を上司・ペリー(アンドレ・ブラウアー)に訴えつつ、引き続き一人で調べを進める。
そしてある夜、アーキンはクレアに「事故は私の所為だ」と言い残し、航空日誌や乗客リストの入ったバッグを残して去る。

これはちょっとびっくりするような展開。
実はクレアも事故を起こしたあの旅客機に乗っていたらしい。
そして、事故生存者はゼロだったらしいのだ…。

リストを見たクレアは一瞬取り乱したが、全てを悟る。
エリックの方も、やたら自分に付いて来る犬や、事故現場で会った謎の老人が、既に自分が子供の頃に亡くなっている飼い犬と祖父であることを思い出していた。
映画の最初の方と中盤でちらっとThe X-Files シガレットスモーキングマン役ウィリアム・B・デイヴィスが出て来て「あれっ!?」と思ったんですが、彼がエリックの祖父でした。

実はクレアの上司・ペリーは彼女が子供の頃の先生であり、マンションの住人・トニ(ダイアン・ウィースト)は彼女の叔母、そしてアーキンは事故機のパイロットだった。
アーキンは責任を感じていたが、実際エンジンから火を噴いていたので、事故は彼の所為ではなかったと思われる。
その他にもクレアらが出会った人々は皆既に亡くなっている人たち。

結局のところ。
ある後悔を残して死んで行った人、或いは自分自身の死をまだ受け入れられないでいる人の魂が、過去に亡くなった家族や先生や飼い犬に出会い、最終的に自分の身に起こったことを全て思い出し、納得して行くまでの物語。
ということになる。

クレアとエリックは機内で出会っていたのだった。
隣の席で意気投合して。
彼らの魂は「あの世で」結ばれたと願いたい。
最後はある意味感動的でさえあった。

思い返してみると、クレアの黒の衣装、持ち物、常に雨が降っている、グレーの空、そして出会う人々、街もどことなく非現実的な印象だった。
最後に今まで起こったことは全てこの世の出来事ではなく、クレアらは既に亡くなっている人たちなのだということを悟り、そして場面が変わって「現実」の街の風景。
天気も良く、人々も多く、活気がある。
この「現実」の世界にもうクレアたちは居ないんだなと思うと、何だか一気に寂しく、切なくなりましたね。
人生とは切ないものだということを改めて感じさせてくれる映画でした。
音楽、特にメインテーマが沁みます。
ピアノが奏でるその曲をバックに、何とも言えない深い余韻を残してこの映画は幕を閉じます。
posted by みのり at 01:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする